飛鳥の四季
春
3月 |
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飛鳥の春は静かにやってくる。 寂しさいっぱいの田んぼのキャンパスに 絵筆の先に緑の絵の具をつけて点点点 あぜ道にしゃがみ込む 春だなあ ちっちゃな白い花があるじゃない これからあったかくなるな |
飛鳥寺 |
飛鳥の菜の花 農家の苦労が花開く 道行く人が足を止め 春の中で深呼吸 |
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二上山 |
慣れ住んだ地から離れ, 大津皇子は二上山に眠る 変わりゆく飛鳥を ただじっと見てるかもしれない |
古の人たちが造った棚田に雨が降る 雨は神からの恵みの水 祈りを捧げる大王の 声は空に届いている |
稲淵の棚田 |
一雨ごとに 暖かくなあれ |
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資料館 |
紅梅 白梅 春だよって教えてくれる なんだか嬉しいよねえ 「きれいだよ」って あなたはだれに言ったの? |
歩いてみようか 梅自慢の庭探し お宅は紅 うちは白 えっ 紅白混じった梅もあるんだ |
資料館 |
一休みは資料館で 石像たちが迎えてくれる |
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万葉文化館 |
お昼は 万葉文化館がいいかな コーヒーを飲みながら となりのテーブルを囲む人たちの話に 耳を傾けてみようか 語ってますねえ 古代史談義 みんな 勉強してるんだ |
また丈六の大仏を見に来た 同じ話を何度も聞く 初めて聞いたような顔をする 覚えてようと思っても すぐに消えてしまう 年なんだって 友人が笑う あなたも同じ年だよね |
飛鳥寺 |
化粧は落としてね ホントの色を隠さないでね |
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石舞台 |
何が起きても動じないのが好きだな 昔は土の服を着てたんだよねえ みんなにペッタンパッチン叩かれてるのに おこらないのも好きだな |
あなたの力は大王の上 大王を見下ろすところに家を建て 輝く自分の勲章とした でも おごれる者は久しからず |
甘樫丘 |
誰が名付けたのか ホトケノザ(仏の座) |
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高取城 |
気の毒な話だ 削られなかっただけましか それにしても寂しいだろう 一人でいるのは誰だっていやなんだよね 700年近く経ったよ そろそろ里にもどしてほしいよね |
都の跡を丘の上から見る たくさんの古代人 外国の人たち 裸足で走り回る子供たち 木につながれた馬 水の都 飛鳥の姿 |
飛鳥京 |
もうすぐ頂上 ここは山じゃないのに疲れるなあ 甘樫の丘 |
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飛鳥歴史公園 |
雷までまっすぐ 右に古の都跡 何もない |
また雨 朝から雨 濡れたくないから車を降りない 傘は小さい折りたたみ傘 開くのが面倒だから 降りない |
石舞台 |
寒い ほんとに春なのですか? |
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稲淵 棚田 |
おはようございます 雨降っちゃいましたね 農家の方ですか ご苦労様 |
どこから来たのですか? 横浜? えっ修学旅行ですか? こんな時期に へぇー |
伝板蓋宮跡 |
おおいぬのふぐり って 意味を知ったら笑えます |
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飛鳥京跡 |
地元の方ですか? よく散歩してるのですか? 静かな所に住んでおられてうらやましいです |
わたしは都会にあこがれます 今日は子供を連れて実家に帰ってきたんです ここは何にもない田舎です やはり町中がいい |
甘樫丘で |
でも自然がいっぱいっていいですよ |
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天香具山 |
高校の時よく言われました 「早く帰らないと電車がなくなるよ」って 街灯も消えてることがあるんです もう いやっ って 思ってました |
4月 |
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よく撮しに来られるのですか? わたしは時々です 桜を狙ってきたのではなくて 実は偶然満開だったのです ラッキー |
石舞台 |
まだ咲いてないところもあり |
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飛鳥坐神社 |
石段を登って見る 大君をたたえる歌 昔は湿地帯だったところを 開拓して都を築いた |
花を見て今を感じる 花に触れ 臭いをかいで命を感じる |
坂田寺跡 |
空の青が好き |
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坂田寺跡 |
花吹雪の中 口を開けてみた 舌で花びらを感じる 花いっぱいの春を感じる |
明日香の花自慢 レンゲ 一面のレンゲ畑 毎年変わらない春の景色 |
飛鳥坐神社 |
水 流れる |
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飛鳥寺 |
奈良の花の寺 この季節で有名なのが室生寺や長谷寺 手入れが行き届いているからきれいですよね 飛鳥寺も負けてません むか~し 昔 境内だったところに咲く レンゲ |
気づいてくれよ と 声が聞こえた だれ? あっ 弥勒さんですか |
飛鳥川 |
懐かしい って 今どこにお住まいですか? |
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川原寺跡 |
ここから多武峰は見えますか? あっちの方だよ えっ どっち? 見えないねえ |
ここにはあまり人が来ないから むこうは人の畑に勝手に入ってくるからねえ あぜ道を踏み荒らしていくから |
飛鳥小墾田宮跡 |
5月 | |
えっ食べられるのですか? ええ よく食べましたよ 黒いのがいいんですよ ちょっと酸っぱいけどね |
石舞台前 |
地元の方じゃないですよね はい 長野です |
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伝飛鳥板蓋宮跡 |
この下に古の都が埋まっています 掘っては埋め また掘っては埋め 少しずつつなぎ合わせて 全体像が分かってきます 古代史の研究に 長靴を履いた作業は欠かせません |
本物が見たい 写真じゃなくてほんとの本物 いつか この目で見ることができるようにしてください |
高松塚古墳 |
ありがとう って 言いたくなる花 |
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飛鳥資料館 |
外は4個 中は3個 ってなーに? 答えは飛鳥資料館にあり |
飛鳥資料館と万葉文化館には 資料がたくさんあって 自由に読むことができます 勉強したいと思って出かけるのですが 天気がいいとなんだか室内にいるのが もったいなくて 外をふらふら歩いてしまいます すると 本を読んで勉強したいという気持ちが 消えます |
万葉文化館 |
緑の臭いが好きです |
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万葉文化館 |
この水はどこから引いてるのですか? 守衛さんらしい人に尋ねてみました 「・・・・」 へぇー |
聖徳太子はこの地で生まれました キリストの誕生と同じような伝説があります 本当は実在しなかった? そういう説があるのです 読んでみるとなるほど納得できてしまう じゃあ 実在の人ではなかったんだ 待って 振り回されないようにしよう |
橘寺 |
よく見ます この花 |
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川原寺跡 |
天気がいいと 家族連れがここで弁当を食べてます そりゃあいい気分でしょう おいしい笑顔見せてますから わたしの弁当は 大好物の 柿の葉寿司 です |
二上山と畝傍山の X(エックス)攻撃だ! 攻撃って 何を攻撃するのかは知らん あんた いくつやねん? |
甘樫丘上 |
また咲いてくれてありがとう |
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石舞台 |
4時過ぎがいい 人がいなくなるから 静かな石舞台 丘の上から見てるだけ そのうち空が赤くなる |
落日にはまだ少し時間があったから 急いで行ってみた なんとなく気になったから この前は コスモスがいっぱい咲いてた時 子供たち 野球の練習が終わって帰り支度してた |
藤原京 |
落日 |
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石舞台より |
二上山に沈む夕日 皇女はこの景色に涙したのです |