浦島太郎・浦嶋子(うらしまたろう・うらしまこ)
丹後国風土記や日本書紀などに実在の人物として紹介されています。(http://www.densetsu-tobira.com/urashima/index.html)
むかしむかし,あるところに,浦島太郎という若い漁師が母と二人で暮らしていました。ある日,浦島太郎が浜を歩いていると,子供たちが亀をいじめているのを見ました。かわいそうに思い,逃がしてやるように子供たちに言いましたが,いっこうにやめてはくれません。そこで,持っていたわずかばかりのお金を渡して亀を助けてやりました。それから数日経って,浦島太郎が海で釣りをしていると,亀が声をかけてきました。その亀は,先日助けてくれたお礼に浦島太郎を乗せて竜宮城に連れて行くと言います。浦島太郎はそこに行ってみたくなり,亀の背中にまたがりました。亀はしばらく海を泳ぐと,すぐに海の底に向かって潜りました。そして,あっという間に立派な門がある竜宮城に着きました。奧に案内されると乙姫様が出迎えてくれました。浦島太郎は歓待され,鯛やヒラメの舞いや踊りを見ながらたくさんのご馳走を食べてしばらく楽しい時を過ごしました。何日か過ぎると,故郷が恋しくなり,帰りたいと乙姫様に言いました。乙姫様はたいそう残念がっていましたが,浦島太郎の思いを理解して見送ることにしました。別れる時,乙姫様は「決して開けてはなりません」と言いながら玉手箱を土産にくれました。そして,来た時のように亀の背中に乗ると,あっという間に故郷の浜に着きました。しかし,そこは以前の村とは違っているように思えました。付近を歩いてみたのですが,誰も知っている者がいないのです。それどころか,自分の家があった辺りには草が生えていて,家もなく,母の姿も見えません。出会った人に尋ねても誰も母のことを知らないのです。だんだん不安になって,海岸に出て座っていた浦島太郎ですが,玉手箱のことを思い出しました。この箱を開けるともとに戻るかもしれないと思って,ふたを開けてしまいました。すると,箱の中から白い煙が出てきて,たちまち白髪白髭のお爺さんになってしまいました。