富樫泰家(とがしやすいえ)[生没年不明]
歌舞伎の「勧進帳」で安宅の関の関守だった富樫左衛門は富樫泰家のことと言われています。源平の合戦後、源頼朝は弟義経を追討しようとしました。源義経と弁慶らが山伏の姿に変装して奥州藤原氏を頼って北陸道を通って逃げ延びようとしたとき、安宅の関で関守に呼び止められます。とっさに弁慶は東大寺再建のための勧進帳を読み上げ、さらに義経を杖でたたいて疑いを晴らそうとしました。これを見た関守は通行を許可しましたが、このとき義経一行であることをわかっていたが許可したと言われています。