飛鳥寺
(奈良県高市郡明日香村飛鳥)
596年(推古4)に蘇我馬子によって建てられた本格的な伽藍配置の日本で最初の大寺院
飛鳥寺は588年に百済から仏舎利(遺骨)が献じられたことにより,蘇我馬子が寺院建立を発願し,596年に創建された日本最初の本格的な寺院。 法興寺・元興寺ともよばれた。現在は安居院(あんごいん)と呼ばれている。
創建時の飛鳥寺は,塔を中心に東・西・北の三方に金堂を配し,その外側に回廊をめぐらした伽藍配置だった。 寺域は東西約200m,南北約300mあった。百済から多くの技術者がよばれ,瓦の製作をはじめ,仏堂や塔の建設に関わった。瓦を製作した集団は,この後豊浦寺や斑鳩寺の造営にも関わっていく。さらに,これらの技術を身につけた人たちやその弟子たちが全国に広がり,各地の寺院造営に関わるようになる。
金銅仏の釈迦如来像(飛鳥大仏)は推古天皇が止利仏師(とりぶっし-鞍作鳥・鞍作止利 くらつくりのとりともよばれるように,もともとは馬具製作に携わっていた百済からの渡来系氏族の一人)に造らせた丈六(約4.85m)仏。605年に造り始め,606年に完成した。 しかし,887年と1196年の落雷のため火災に遭い本堂が焼失したが江戸時代に再建された。飛鳥大仏も補修されたが,顔の一部,左耳,右手の中央の指3本だけが当時のまま残っている。法隆寺金堂の国宝釈迦三尊像とよく似ている。(画像使用許可済)